雪月花
「雪月花」へようこそ。月刊LaLaにて連載中の「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いてます。心赴くままに更新していきますので、よろしくお願いします。
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手荒れ
冬の寒さが増す今日この頃、夕鈴の手がかすかに手荒れをしてきていた。妃のバイトもしているのに、狼陛下唯一の妃の手が荒れているようでは、陛下に迷惑がかかる。少し、考えるべきだろうか?政務室で椅子にすわりながら、手をじっとみつめてから、ため息をつく。そこを陛下にみつかり、そばにきたかと思うとのぞきこまれた。

「どうした?愛しい妃よ。何を憂いてため息をつくのだ?」
「へ、陛下・・・その、たいしたことではありませんから。みなさまお待ちですわ」
「あんなに切なそうにため息をついておいて、何もないと?このあとの時間をすべて使って問いただしてもいいのだが・・・」

じっ・・・とみつめられ、あわてて下をむく。後でお話いたします・・・と陛下にのみ聞こえる声で囁く。李順が何をやってるんですか、このバイト!という視線を夕鈴によこす。陛下は名残惜しそうに夕鈴の頬に手をやり、妃にのみむける甘ったるい笑みをのこして、仕事へと戻っていった。

自室に戻った後、手をみつめて夕鈴はつぶやく。

「手荒れ予防のクリーム、ぬろうっと。仮にも妃の手が荒れているなんて、陛下の評判にかかわるし!」

前に紅珠がくれた、東洋の島国からのクリームがあったはずだ。いそいそと鏡台へ近づき、椅子に座る。引き出しをあけて、クリームをとりだし、時間をかけて念入りにぬりこむ。数刻したら、幾分か手荒れはましになっていた。さすが氾家がくれるものであるだけあって、質がいい。これでいいわ、と夕鈴は満足げにうなずく。


その日の夜、陛下がやってきたので、昼間のことを話すことに。いつものように、陛下を迎える。

「いま帰った、愛しい妃よ。お前と会えぬ間の時間はどうしてこうも、長く感じるのだろうな」
「まあ陛下、私もさびしゅうございましたわ・・・」

そこで陛下が「さがれ」と合図をおくる。侍女たちは礼をしたのち、静かに退出していく。

「お疲れ様、ゆーりん♪」
「陛下も、お疲れ様です。お茶をおいれしますね、少しお待ちください」
「夕鈴、昼間のことなのだが・・・」

体が反射的に反応してしまう。茶器を用意しながら、夕鈴は陛下に話しかける。

「はい、ため息をついていたことですよね?あれは、最近手荒れしているから、妃の手が荒れているのはいけないな、って思って付いたため息なんですよ。すいません、陛下に心配おかけして」
「手荒れ?君の手が荒れているなど、誰も思わないが。夕鈴、君の手は綺麗だ。私が保障しよう」
「!へ、へへ陛下っ・・・!」

陛下は茶器をおいた夕鈴の両手をとると、口づけた。真っ赤になる夕鈴と、嬉しそうな陛下。上目づかいがすごくセクシーだ。にっと微笑まれ、ばばっと手を離させた。

(こっこの狼陛下は―――っ!そういうことしたって、平気な顔してるんだから!)

いつまでたっても、慣れない夕鈴であった。
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