雪月花
「雪月花」へようこそ。月刊LaLaにて連載中の「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いてます。心赴くままに更新していきますので、よろしくお願いします。
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罪作りな発言
「なー、お妃ちゃんって好きなやついるの?」

それは、浩大の何気ないひと言からはじまった。

いつも通り、お妃バイトもこなしながら、掃除婦バイトにいそしんでいる夕鈴。手がけていた掃除がひと段落し、休憩していたときに、ひょっこり現れた陛下の隠密・浩大がもらした何気ないひと言。

「浩大、なによ、急に」

「だーかーら、お妃バイトはおいといて、お妃ちゃんが本当に好いている男がいるのかってことだよ!」

やぶからぼうにそんなことを言い出す浩大。急に言われたので目をぱちくりとするが、少し考えてみる。今までにそういった経験がないだけに、どう答えていいのかわからない。

「・・・いないわよ、そんな人。几鍔じゃないかって下町のみんなは言うけどね。あんなのとくっつくと思われてるなんて、冗談でもやめてほしいわ!」

「そ、そっかー。じゃあ、この王宮にはいいなー、なんて思う人とかいるわけ?陛下にはいわないからさ、教えてくれない?」

「・・・どうして、私が好きなひとを浩大に教えなくちゃいけないのよ」

そう答えながら、夕鈴は少しいたずら心で、

「・・・じつはね、私、浩大のことが好きなのよ」

とにっこり微笑んだ。えっ?と目を丸くする浩大。動揺がみてとれたから、調子にのって夕鈴は、瞳を潤ませ、

「ずっと、お慕い申し上げておりました・・・浩大様」

と囁いた。夕鈴の言葉に硬直する浩大。彼の背を冷たいものが走る。今の言葉を陛下に聞かれていたらどうなっただろう?と。

「じ、じょうだんだよね?お妃ちゃん?」

「それは・・・」

もちろん冗談よ、といいながらそうだよね、そうに決まってるじゃない、と二人は笑いあった。夕鈴にとってはたあいない冗談であったろう。だが、浩大にとっては自分の命を危うくするものでしかない。瞬間、ぞくっ、と寒気が浩大を襲った。--陛下だ。

「お妃ちゃん、オレ、用事思い出したわ、まったねー!」

「そうなの?私ももう少ししたら着替えて部屋に戻らなくちゃ。陛下においしいお茶をいれてさしあげるの」

「んじゃ、またね、お妃ちゃん!」

しゅたっ、と浩大はその場から消えた。「?」と疑問符を頭に浮かべながら、夕鈴は掃除婦のバイトの残りをおえ、自室へと戻ったのだった。その日の陛下は笑顔を浮かべているものの、どこか不機嫌さも垣間見え、夕鈴は疑問に思いながらも、自分の何気ない冗談から浩大がひどい目にあったとは、ついぞ考えなかったのだった。
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